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スポーツの世界では、実施するトレーニングは競技力の向上ためであることが大前提となります。
野球選手はより速い球を投げるために、陸上選手はより速く走るためにトレーニングを行います。
競技ごとにファンクショナル(機能的)な動きが存在し、そのためのトレーニングを実施しなければいけないのは勿論です。しかし、一歩立ち戻って人間が痛みを生じることなく効率的に動くためにはどういったカラダが必要なのか、どういった動作が効率的なのかということを考えて各競技全体を見渡してみると、人間のカラダにとって共通となる機能的な動きがわかってきます。私たちは、スポーツの競技力を向上するためにスポーツ医科学的根拠をもとに共通となる機能的な動作を理解し、トレーニングを実行していくことが大切ではないかと考えています。また、競技に限らず日常生活も同じで、“歩く”“走る”“階段を昇る”“物を持ち上げる”などの動作においても、基本となる動作はスポーツ競技動作と変わりがありません。
このように、人間がスポーツに限らず日常生活でも体を動かすということにおいて、共通した動作の機能を向上させるトレーニングを『ファンクショナルトレーニング』と我々は呼んでいます。 |
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ファンクショナルトレーニングは、以下の5つのルールから成り立っています。
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スポーツに限らず人間が生活するうえで、基本となる姿勢は立位です。そして、立位の姿勢から歩いたり走ったり、ものを運んだり、障害物を飛び越えるためにジャンプをしたりという動作に発展されていきます。
このような何気ない日常動作や、サッカーや野球などのスポーツ動作の中で、常に体に加わる力が存在します。それが『重力』です。人間は、地球で生活をするかぎり、常に重力に抵抗して動作を行っているのです。ということは、スポーツに限らず、日常動作の機能を向上させるには、重力に対して耐えられる体を作らなければならないのです。つまり、動作の機能を向上するためのファンクショナルトレーニングは重力に耐える体を作るトレーニングであるべきなのです。
例えば、仰向けでのクランチ動作は腹筋に対してとても厳しいトレーニングですが、腹筋の本来の機能(立位での体幹の固定)を考えれば機能的とはいえません。目的が機能の向上にあり、重力に対して抵抗を与えるならば、腹筋のトレーニングはうつ伏せにて体幹の固定に抵抗を加えるようなものを行なうべきです。 |
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人間のカラダには多くの関節が存在し、それぞれの関節には役割が存在しています。関節ごとに正しい役割に応じて動作を行うことができれば、人間が本来持っている機能を最大限に活用したファンクショナルな動作が実現できるはずです。例えば、腰椎・骨盤は大きな可動に適していない関節であるといわれStability Jointと呼び、それをまたぐ胸椎と股関節は大きな可動に適している関節なのでMobility Jointと呼んでいます。ファンクショナルな動作では、Stability Jointは“固定”、Mobility Jointは“動き”として、各関節を分離させて動作を行う必要があります。また機能を分離した関節は、ファンクショナルな動作の中では同時に活動し、全ての関節動作を共同させなければなりません。 |
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もし、体幹(腰椎・骨盤)と股関節が分離できていれば、足を上げたときに体幹が固定され体全体が安定します。足上げの動作をしたときにStability Jointである体幹が動いてしまったら、動作全体が不安定になり正確で効率が良い動作をすることが出来ません。 |
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人間の運動動作は、1つの筋肉だけで行われているわけではなく多くの筋肉が連鎖(チェーン)して起きていると言われています。例えばランニングのときは、力は地面から足の筋肉を伝わり、お尻、体幹、上肢へと伝達され前進していきます。もし、その連鎖が途中で途切れてしまうと、地面からのエネルギーが途切れてしまい、上肢まで力が伝わらず効率の良い動作が生まれないばかりか、連鎖が途切れた部分に傷害が起きてしまうことも考えられます。 |
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背中の筋肉からお尻の筋肉までは、腰部にある筋膜を通って対角線で繋がっています。背中の姿勢をまっすぐに保ち、大きな力を発揮するためには同時に連鎖して機能したほうが効率的です。
トレーニングも一つの筋肉を鍛えるものではなく、複数の筋肉の連鎖を使ったトレーニングであるべきです。このトレーニングは左の大殿筋と右の広背筋の連鎖を鍛えるトレーニングです。 |
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人間の動作は基本的に3面で起きているため、カラダの機能を上げるトレーニングも3面運動でなけれなりません。例えば、Walkingの動きでは、正面から見てみると少しずつ左右に体重移動をしていることが分かります。人間のカラダの重心は背骨の真下にあり、両脚で立っていればその中心に重心がきます。当然、Walking等で片脚になれば、重心は支持足になり、その分だけカラダは左右に体重移動をするのです。これによって、Walking動作では横の動きの面が含まれるのです。今度は、動作を横から見てみると、手足が大きく前後に動いているのが分かります。右手を前に出したときに、左脚が前に振り出され、左手を後ろに引いたときに、右足が後ろに蹴り出される動作です。これが歩行での前後の動きの面になります。最後に、真上から動作を見てみると、人間のカラダは背骨を中心として手足の動きとともにねじれ動作を行っているのがわかります。横から見たときに前後に動いている手足の動作を、真上から見るとカラダのねじれ動作の面でも動きが同時に行われていることがわかります。 |
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つまり、人間の動作は一見単調な動きに見えたとしても、多くの動作は3面で行われていることが多いのです。したがって、ファンクショナルトレーニングも1面だけの動きにフォーカスしたものではなく3面動作を考慮したトレーニングであるべきなのです。 |
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人間の動作は、前後の動きを表現する矢状面、左右の動きを表現する前額面、ねじれ動作を表現する水平面の3つの面で動作がなされています。 |
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人間の体において、効率的で大きな力の発揮(Unloading)には、必ずその方向とは反対に力を溜めて(Loading)から行われます。ジャンプ動作は良い例で、高くジャンプをしようとすれば無意識に一度しゃがみこみを行います。このしゃがみこみがなければ、力のLoadingが行われず、高く飛ぶことができません。 |
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野球やゴルフなども同様で、力強いボールを投げようと思えば必ずコッキング動作は行われますし、ゴルフで遠くに飛ばそうと思えばテイクバックがおこなわれます。
このように、どのスポーツや日常動作においても強い力を発揮するためには、事前に踏み込む動作(Loading)が必要になるのです。つまり、ファンクショナルトレーニングでも動作を機能的にするためには、Loadingに着目したトレーニングが必要になるのです。 |
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